手に巻き付けられる柔軟なシルク組紐 シルクの組紐は伸縮性があり、ストラップを手に巻き付けたときに腕の動きに柔軟に対応します。撮影時に手首にキツく巻き付けても、人の呼吸に合わせてかすかに伸び縮みするような伸縮性がシルク組紐の特長です。
袈裟掛けで革パーツを同じ太さに 「袈裟掛け」という、筒状にバッテンで手縫いをする技法を使い、絹紐と二重リングを接続する革部分を同じ太さにし、撮影時に邪魔にならないようにしました。最高の技術を持つ職人により、この製法が実現しました。また、二重リングは真鍮を使用しています。
シルク組紐ストラップの誕生談話 20年ほど前、ライターであり著名コレクターの岡田修一郎氏(現 CAMERA&WACHI Bar OKADAYAオーナー)の「紐のライカ用ストラップを作ってくれ」という一言から始まった。さっそく材料探しを始めた。出張で京都に行った時にふらりと入った組紐屋さんに用途を伝えると、「昔カメラに付ける紐を探しに来た方がいました」と。「名前はご存じですか?」「さぁ」「土門さんではありませんか」以前、土門拳が紐でつるしたM3で撮影している写真を見たことがあったので、軽い気持ちで振ってみた。「そうそう土門はんとおっしゃってました!」なんとあの巨匠土門拳と同じ組紐屋に入ったんだ。「土門はんはこの絹の帯紐を気に入ってお使いになられてました」絹の帯紐は人の呼吸に合わせてかすかに伸び縮みする。撮影時に手首にキツく巻き付けてもぎゅっと力を入れるとかすかに伸びて手が痛くならない。最近あらゆるロープを使った紐式ストラップが発売されているが、このシルク組紐にかなう素材はなかなかお目にかかれないと思う。(半杭誠一郎談)